プロジェクトについて

 ”武田由平まちなかアートプロジェクト”は、木村記念美術館企画展「創作版画と新版画」の関連企画として、展覧会開催期間中、公共施設やカフェなど市内各所で武田由平版画作品の展示を行うイベントです。美術館とは異なる空間での作品鑑賞をお楽しみください。

これまでの取り組み

令和3年、有志による市内ギャラリーでの武田由平の33回忌回顧展開催をきっかけに、翌年には木村記念美術館で、武田由平生誕130年記念展を開催。それ以降、毎年美術館で「武田由平」をキーワードとした展覧会を開催するとともに、市内のカフェなどをサテライト会場として作品展示やギャラリートーク、ワークショップを行ってきました。
5年目となる本年度は、更に規模を拡大し、さまざまな空間で武田由平の版画作品を鑑賞する体験をお届けいたします。

武田由平について

武田由平は、1892(明治25)年に現在の岐阜県高山市に生まれた。岐阜県師範学校を卒業し、郷里高山の小学校に赴任。図画の授業に版画制作を取り入れるなど、自由画教育を飛騨地方で最初に実践した人物である。
1929(昭和4)年、中津市の旧制中津中学校(現在の中津南高等学校)に図画教員として転任した頃から、美術教育に情熱を注ぐかたわら、本格的に木版画制作に取り組む。日本版画協会会員として、官展及び日展を主に作品を発表し、戦後は棟方志功らと立ち上げた日本版画会の創立委員として、創作版画の表現を追求し続けた。
1952(昭和27)年、旧制中津中学校の教え子たちが集まり、山国川に影を映す櫟(くぬぎ)にちなんで名づけたという美術団体「櫟映舎」を結成。翌年には武田を副会長に中津美術協会が設立された。こうした活動は、中津のみならず大分の美術界発展に大きな功績を残した。1982(昭和57)年には、武田の長年の功績に対して中津市民栄誉賞が贈られている。1989(平成元)年没。

美術館企画展「創作版画と新版画」について

中津市では、武田由平が図画教師として教鞭を執っていたこともあり、早くから版画教育が実践され、昭和期を通して版画運動が盛り上がりをみせていました。その背景には、自由な木版画表現を追求した「創作版画」と新しい時代の浮世絵を目指した「新版画」、大正から昭和にかけて新たな表現を模索した2つの版画運動の存在があります。
展覧会では、「創作版画」と「新版画」の代表的な作家とその作品を紹介するとともに、武田由平の作品を取り上げながら、中津における版画運動を概観します。

詳細は、木村記念美術館公式サイトを御覧ください。

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